睡眠ダイエットサロンClearです、今回は、私自身もこれまでに「吸収が早い商品が良い」など、サプリメントやドリンクを勧められてきましたが、研究や臨床の場の医師の話を聞くと「矛盾と体の生態機能の本質」を考えていくことで気になり「吸収が速ければいいのか?」と掘り下げた結果について書いていきたいと思います。ぜひ「健康な身体づくり」のためにをキーワードに読んでいただければと思います。
はじめに「速さ信仰の落とし穴」
よく言われる「筋トレ後30分以内にプロテインを飲むことが重要」
これはボディメイクの世界でよく聞く常識です。
“速い吸収”のプロテインを摂取すれば、筋肉の合成がグッと上がる、疲労の回復が早まる、と。
ただ、この“速さ至上主義”には見過ごされてきたデメリットもあります。
自然派志向の私としては、「体にやさしく質の良い筋肉を育てるための新しい視点」を提案したいと思っています。
吸収が速い=体に良い?その仮説と限界
吸収が速いプロテインのメリット
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ホエイプロテインなど、胃から腸への移行が早く、アミノ酸血中濃度が急上昇 → 筋合成(muscle protein synthesis, MPS)が短時間で強く刺激される。
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トレーニング直後の“ゴールデンタイム”の栄養補給としてよく推奨される理由。
けれども、“速さ”だけでは見えない部分がある
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肝臓・腎臓への負荷:一度に多くのアミノ酸・タンパク質が流れ込むと、それを処理する肝臓や腎臓の働きが追いつかないことがある。
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添加物・人工甘味料などの副成分が含まれる製品では、それらの分解・代謝にも内臓は働かなくてはならない。
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咀嚼が少ないと消化がスムーズでなかったり、満足感が下がる → 結果的に食べ過ぎや血糖の乱高下につながる可能性。
研究が示す「速い vs 遅いプロテイン」の実際
Boirieら(1997)の研究:Casein vs Whey
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同量のタンパク質を含む牛乳由来のプロテイン(ホエイ=速く、カゼイン=ゆっくり消化)の比較をした実験。 PubMed+2PMC+2
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結果:ホエイは摂取直後のアミノ酸血中濃度が急激に高くなるが、それは短時間のみ。一方、カゼインはゆっくりとした上昇ながら長時間アミノ酸を供給し、総じてアミノ酸の“利用効率”や“合成 vs 分解のバランス”で良い結果をもたらしたというデータも。 PubMed+2PMC+2
Gut‑Muscle Axis の研究:腸内環境が筋肉の質に与える影響
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最近では「腸‐筋軸 (gut‑muscle axis)」と呼ばれる概念が盛り上がっていて、腸内細菌叢の多様性や腸のバリア機能、炎症状態が筋肉の質・筋力・代謝に影響を与えるというレビューがあります。 Frontiers+1
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たとえば、腸内で作られる短鎖脂肪酸(SCFAs)が、炎症を抑える作用や血糖・脂肪代謝を調節する作用を持ち、これが筋肉のアミノ酸利用や筋タンパク合成を助けるというメカニズム。 Frontiers+2Frontiers+2
自然派が選ぶ「食べて整える」栄養アプローチ
プロテインドリンクを使わずに、内臓にもやさしく、筋肉の質を高めるための方法を以下に提案します。
食べる vs 飲む:なぜ咀嚼が大切か
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咀嚼することで消化が始まり、唾液の酵素や胃酸分泌が自然に促される → 消化管全体の準備が整う
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消化吸収の過程がゆったりしていることで、血糖値・アミノ酸濃度の乱高下が緩やかになる → 内臓ストレスが少ない
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軽い咀嚼を伴う食材は満足感もあり、過食・間食予防にもつながる
自然派筋トレメニュー+食事例
以下は「腸にもやさしく、食材そのものの力で筋肉の質を上げる」メニュー例です。トレーニング後~翌朝にかけて取り入れやすいものを3つご紹介します。
メニュー | 内容 | 効果・ポイント |
A メニュー:さつまいも+焼き魚+発酵野菜 |
・さつまいも(蒸し・焼き) ・魚(サバ・イワシ・鮭など脂の乗ったもの) ・発酵野菜(ぬか漬け・キムチ・ザワークラウトなど) |
炭水化物は自然な中・低GIで持続型、魚で良質たんぱく質とオメガ3脂肪酸、発酵食品で腸内細菌のエサ+腸のバリアをサポート |
B メニュー:雑穀ごはん+納豆+温野菜スープ |
・雑穀入り玄米や雑穀ミックス ・納豆 ・温野菜(キャベツ・かぼちゃ・ブロッコリーなど)を使った味噌汁やスープ |
食物繊維・発酵・植物性タンパク質のバランスが良い。温かいスープで消化も助ける。 |
C メニュー:豆腐ステーキ+ひじきの煮物+卵焼き |
・木綿豆腐または厚揚げをこんがり焼いたもの ・ひじき煮物(海藻:鉄・マグネシウム・カルシウム) ・卵焼き(卵は消化しやすい白身主体でもOK) |
植物性+動物性タンパク質のミックスでアミノ酸バランスを取りやすい。海藻や卵でミネラル補給。 |
筋トレ後におすすめの運動/自然派筋トレメニュー
筋肉の“質”を上げるには、栄養だけでなく運動の選び方も大事です。以下は自然派の人におすすめの筋トレメニュー例。
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複合運動中心:スクワット、ヒップヒンジ(デッドリフト系)、プッシュアップ、プランクなど体幹+大きな筋肉を使うもの
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ゆっくり丁寧な動き:ネガティブ(下ろすとき)フェーズを意識したり、アイソメトリック(静的保持)エクササイズを入れたり
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軽重ミックス:重さを使う日・軽めでフォーム重視の日を交互に取り入れることで筋疲労・筋損傷 → 回復サイクルが整いやすい
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ストレッチ/ヨガ的な動きを補助:筋肉を伸ばす・弛める時間を持つことで血流・リンパの流れを促し、回復を助ける
筋トレ後30分以内に食べるべき?自然派視点での考え方
一般的には「運動後30分以内がゴールデンタイム」とされ、
速やかにタンパク質を摂ることで筋肉の合成が高まると言われます。
これは一部正しい反応ですが、自然派の視点では少し見直したいポイントもあります。
✅ 「吸収の速さ」は一時的な効果であり、
本当に筋肉の質を高めるには、内臓に負担をかけず、腸でしっかり吸収・代謝されることが重要です。
近年の研究では、**ゆっくり消化されるタンパク質(例:豆腐や魚、卵など)**でも、
十分に筋肉の材料として使われることがわかってきています。
自然派ボディメイクにおすすめの考え方
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30分以内に“食べるスイッチ”を入れることが理想
→ たとえば、白湯・果物・発酵食品からスタート -
無理に早食い・プロテイン摂取をせず、やさしい食事を咀嚼しながら届ける
🔸 食べるタイミングよりも、「どう食べるか」「何を食べるか」「どれだけ吸収できるか」の方が、筋肉と腸にはやさしい。
わたしの結論:つくる筋肉の“質”は、急がず整えて育てる
「吸収が速ければ良い」という言葉には、一部真実があります。でも、長く維持できる質の良さ、内臓の健康、腸の状態、炎症のコントロールなどを含めたトータルヘルスを考えると、“ゆっくり吸収するタンパク質を含んだ食事”+“咀嚼・消化・腸を整える食材”が、自然派にとっての最善の道だと思います。
筋肉の“見た目”ではなく、“中身と機能”を育てること。これからの時代はそれが美しくて強い体を作る鍵。あなた自身やクライアントのみなさんにも、この視点を伝えられたら嬉しいです
私たちは「食べたものでつくられ、機能しています」それが「健康」の本質ではないでようか!